この話の中のセフィロスは今までのパラレル・ストーリー上でのかっこよくて強いセフィロスではありません。
我ながらよくもまあここまで崩せるものだと思う所まで崩します!!(宣言)
そんなセフィロスを見たくない方はお戻り下さい。
多少崩れても愛があるから(どう言う愛だ?)かまわないと言う方のみお読み下さい。
ミッドガル3番街で、反抗勢力を一掃している最中に、クラウドは爆発に巻き込まれ頭にケガを負った。
反抗勢力はクラウドの負傷に、ぶち切れたセフィロスのおかげで一掃した。
FF7 パラレル小説 第11弾 『if』 クラウド偏 英雄ブチ壊れバージョン
「クラウド!大丈夫か?!クラウド!!」
セフィロスが取り乱したように名前を呼ぶと、やがてクラウドはまぶたを揺らし頭を軽く振って立ち上がった。
「……?サー・セフィロス?」
「クラウド、一体?」
「おい、クラウド。お前なんでセフィロスの事をサーと呼ぶ?!」
「あ、サー・ザックス。自分はまだ入隊したばかりの一般兵ですから、サーに失礼だと思います。」
クラウドの言動に疑問を感じたリックが白のロングコートを指差して話しかけた。
「クラウド、おまえ自分の格好を見て見ろ。」
「え?あ…あれ?!なんでこんな服?」
「それはクラスAソルジャーの制服だ。お前は実力でその服を着ている。」
言われた事がわからずに、クラウドが不安げに首をめぐらせると、セフィロスがその視線を捕らえて問いかけた。
「お前の名前、所属と階級を答えよ。」
クラウドはセフィロスの言葉に即座に反応し、敬礼をし凛とした態度で答えた。
「第13独立小隊所属、クラウド・ストライフ二等兵です。」
「今年は何年だ?」
「はい、○X21年であります!」
クラウドの言葉を聞いてザックスがびっくりした。
「クラウド。それ、一年前の年号だ。」
「ま、まさか今のショックで?」
「一年間の記憶が?」
「どうもそのようだな。」
セフィロスがクラウドから視線を外したとたん、顔がうつむいてしまったのにリックが気がついた。
「あらら、これはそっとしておいても大丈夫だな。」
「なんでだよ?」
「一年前のこいつと同じ状態だ。隊長に視線を外されてとまどってる。」
「うわー、記憶が無くても隊長には轢かれる奴なのか。」
「はい、残念。記憶のないクラウドを口説こうとしても無理って事だな。」
「ちぇ!少しは期待してたのに。」
「クックック、カイル、存分に邪魔してやるか?」
「リック、おぬしも悪よのぉ」
特務隊トップ2の意見が一致した。
とたんにリックがクラウドの肩を抱き寄せる。
「クラウド、これからデートに行こうぜ。」
「じょ、冗談!俺は男ですよ。」
「お前みたいな美人、前から恋人にしたくてずっと狙ってた。」
「び、美人って。誉め言葉じゃない!!」
そういうとクラウドは軽く腕に力をこめてリックを押し返すと、いきなり後ろにふっ飛んだ。
「うわ!!ちょっと姫そりゃないだろ!」
「やりぃ!お前がふられたとなると俺だな。」
カイルの言葉にクラウドがキッとにらみつける。
「俺は男を好きになるような趣味は無い!!」
そう言いながらむくれているクラウドに、セフィロスが思わず頭に手をやり、いつものクセで髪をすくように撫でた。
クラウドがハッとした顔でセフィロスを見た途端、なぜか自分が悪いことをしている気がして髪をすく手を引き、すまなそうな顔をして視線を外した。とたんに頬が赤くなり心臓がドキドキしている自分に思わずクラウドはびっくりした。
そして辛そうな顔をするセフィロスを見て顔をうつむけてしまった。
リックとカイルとザックスがそれを見て内緒話をしている。
「ありゃ完璧、恋煩いだね。」
「まーた、やきもきさせられるのかよ。」
「しゃあねえだろ?姫のあんな顔見ていたくないだろ?」
「はぁー(ため息)またお邪魔虫やらなきゃいけないのかよ。」
「お互い様、俺も協力するぜ。」
「一番やりたくない仕事だな。」
3人は青い瞳を曇らせたままうつむいているクラウドを見つめて、思わず溜め息をついた。
ザックスがにっかりと笑いセフィロスをつかまえる。
「旦那ー、美人のフィアンセとの結婚はまだみんなに教えないのかよ?」
「いきなりなんだ?」
「だってよー、あんたたち結婚してもうすぐで一年来るのに、一部の関係者しか結婚してる事実を知らないじゃん。」
「関係者が知っていればいいだろ?」
「よかねぇよ!クラウディアが可愛そうじゃん。」
リックがザックスのやりたい事を察し、ふとクラウドを見ると真っ青な顔をしているのを確認した。
「いや、だって永遠の妖精とまで言われるクラウディアさんが、実はすでに隊長の奥様だとばれたら彼女の方がまずいんじゃないの?」
「すんげー美人モデルだからな。隊長と並ぶとまるで絵にかいた美男美女。」
セフィロスの機嫌が一気に悪くなり周囲の気温が下がりはじめた。
「お前達、何がやりたいんだ?」
「べーつーにー」
「ちょいと意地悪を……」
「しちゃったりしているだけですよ。」
ザックス、リック、カイルの3人はニヤニヤしながらセフィロスを見ていた。
クラウドはみんなの話している言葉を聞いてショックを受けていた。
”え?セ…セフィロスが結婚しているって?!
しかもお相手は美人モデルって?! うそ…嘘でしょ?!”
そう思ってハッと気がつく、なぜ自分がセフィロスの結婚に、ショックを受けていなければいけないのかわからなかった。
セフィロスが暗く沈んでいる、クラウドの左手を取るとはめられていた白いレザーグローブを脱がせ、自らも黒いレザーグローブを脱ぐ。
そして左手薬指にはまっている指輪を指差してにやりと笑った。
「クラウド、これは何だと思う?」
「え?俺とサーの指に同じデザインの指輪。これって…もしかして……結婚指輪?」
「そうだ。お前が私に一緒になってくれないと嫌だとごねるから、去年の9月に一緒になったのだぞ、それすらも忘れたか。」
カイルとリックがセフィロスの言葉にびっくりする。
「隊長!!卑怯だ!!」
「何を言うか、お前らこそ私から妻を横取りしようとしていただろうが!」
「あ?え?だってサーにはモデルのフィアンセが…。」
「お前だ、お前の女装があまりにも綺麗だったのでスカウトされたんだ。」
クラウドは信じられない話しに思わずザックスの顔を見る。
「ザックス、本当なの?」
「ああ、お前はにーさんの嫁で、目も当てられンほどアツアツの新婚さんだぜ。」
クラウドは思わず青い瞳から涙をはらはらとこぼしはじめた、あわててリックとカイルが駆け寄る。
「姫、嫌なのか?嫌なら別れろ。俺が居るぞ。」
「馬鹿野郎、人のセリフ取るな!」
クラウドはなだめる二人に頭をフルフルと振るって極上の笑顔を浮かべた。
「ううん、違うの。すんごく嬉しい!だって…俺。サーの事…」
クラウドがそれまで言うと顔を真っ赤にさせてうつむく、その可愛らしい仕草に思わずセフィロスがクラウドを抱きしめていた。
「ん?私の事を何だって?」
「あ……あ……愛しています」
「ふん、聞こえないな。」
「あ、愛しています。」
ザックスがクラウドの隣に来て耳を引っ張るようにして囁く。
「ちょっとひどいんじゃないの?さっきリックとカイルを男を好きになる趣味は無いって、振っておきながら…」
「あ…。ご、ごめんなさい。」
ザックスはクラウドからセフィロスに目を移すと、十分邪推な目でながめてから鼻で笑うかの如く話し出した。
「あんた、クラウドの記憶が無いのをいい事に、16歳の少年にイケナイ事を教え込もうと思ってないだろうね?!」
「何の事だ?法律上の夫婦である上に、双方の合意が有れば何も犯罪などにはならないはずだ。」
クラウドはすでにセフィロスの腕の中で蕩けるような顔をしている。
ザックスが肩をすくめ、リックとカイルは呆れて物もいえなくなっていた。
「姫、約束あるからいいかげん帰りたいんだけど、ダメか?」
「ジョニー、彼女かよ?」
「大学時代のダチと恋人と妹。前からミッドガルのアンダー・ザ・シーに連れていく約束をさせられていたんだ。」
ジョニーの言葉にリックがクラウドに話しかけた。
「クラウド、副隊長はお前だ。締めてくれ。」
「え?何て言ったらいいの?」
とまどうクラウドにセフィロスが耳に息を吹き掛けながら教えた。
「ミッションコード0458329、コンプリート。帰還する、だ。」
その甘い声に腰が砕けそうになるのを必死で耐えると、おずおずとセフィロスの横に立って教えられた通りに言う。
「ミッションコード0458329、コンプリート。帰還する!!」
「アイ・サー!!」
隊員達が一斉に敬礼する。
ザックスがクラウドとセフィロスに駆け寄ってきた。
「俺でよかったら報告書書いて置いてやるよ。クラウドの記憶が不十分なんだ、そっちを早く戻さないと、執務に支障がでるだろ?」
「そうだな。クラウド、いくぞ」
「あ、はい」
セフィロスはクラウドを連れて自分のマンションへと戻って行った
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