コレクション大陸の西の端にバロン国はあった。
その城下町にセフィロスとクラウドが降り立っていた、目の前に大きな城がそびえ立っている。
「アレクサンドリアみたいに国王制なんだね。」
「ああ、たしか国王の名前はセシルとか言ったな。」
「だからってまたお姫様ドレスなんて着せるなよ。」
「クックック、にあっているから良いではないか。」
「ば、ばか!!」
城下町のど真ん中で周りを気にせずいちゃついております。
もっともこの国の国民は気が広いのかそのぐらいで注目したりはしません。城下町を歩いていると武器屋、防具屋、アクセサリーショップと一通り並ぶ店を吟味するとその国の姿が見えてくるようである。
防具屋に置いてあった防具に見慣れない物を見てクラウドが声をあげた。
「うわ!竜騎士の兜だって。」
「そういえばこの国は赤い翼とかいう戦闘集団を持っていたな。やはり敵の目を欺く為にお前にはドレスを着てもらわねばならんようだ。」
「ほ、本当に欺くためだけ?」
「フッ…。」
意味深な笑みを浮かべるセフィロスを、ちょっと赤い顔をしたクラウドが上目使いに見つめている。その表情に極端に弱いセフィロスがクラウドを抱き寄せると、耳元にかるく息を吹き掛ける。
実はクラウド君、耳元がウィークポイントの一つだったりします。かるく耳元に息を吹き掛けられるだけで、『もぉ どうにでもしてぇ〜〜〜ん』状態に陥ります。
トロトロに蕩けきった顔をして見あげてくるクラウドを、セフィロスは口元にうっすらと笑みを浮かべながら抱き寄せて、トランクをひょいと持ち上げると宿屋へと入るのであった。
翌朝、またまた綺麗にドレスアップされたクラウド君は鏡の前でため息をついています。
「お、俺って一体……。」
しみじみと自分の顔が女顔であることを思い知らされているようです。
そこへビシッとスーツを着込んだセフィロスが後ろから近寄ってきます。その艶姿におもわずクラウド君が見惚れてしまいます。
「ん?どうした?」
「セフィ……。カッコイイ。」
「お前も、いつも綺麗だな。」
軽くセフィロスの手が頬に触れるだけでクラウド君の顔が真っ赤になります。
「こら、そんな顔をするな。誘っているのか?ん?」
「ち、違うよ。今日はバロンのお城に行くんだろう?」
「ああ、地下の世界の事をしっかりと聞かないと、お前に指輪もやれないとまた苛められそうだな。」
「もう、目的はルーファウスの親書を届ける事だろう?」
「それは私に取ってはもののついでだな。」
そう言いながらセフィロスは親書をポケットに入れると、クラウドを伴い宿屋から王宮へと入る。門を守る守衛に来訪の目的を告げると、一人があわてて城内に駆込みすぐに戻ってくる。
「どうぞ、このまままっすぐお進み下さい。」
二人は門番に丁寧に一礼されて開かれた門の中に入って行く。
正面の門が厳かに開くと赤いじゅうたんがまっすぐに引かれていた、静々と進んで行くと変わった鎧兜の槍を持った戦士が最上の礼を尽くして二人を出迎えていた。
「バロン国へようこそ。私は国王陛下の護衛をいたしております竜騎士のカインと申します。」
「ミッドガル、神羅カンパニー所属ソルジャーのセフィロスと申します。本日はカンパニー社長のルーファウスの名代で参りました。」
「遠い所をようこそおいで下さいました。国王のセシルはこちらでございます。」
カインが扉を一枚開くと、正面の玉座に一人の青年が座っていた。
隣に居る美しい女性はお后であろうか?なにやら仲よさげにはなしていた、が!!、青年の方が入ってきた男たちを見つけて立ち上がる。
「あ、カイン!!今日のお客様ってそのお二人なの?」
「セシル、国王らしく振る舞いなさい。」
「え〜〜、だってカインがそばにいてくれないと嫌だよ。」
セシルの言葉に隣にたたずんでいた女性が頭を抱えていた。
「セシル、一応私が貴方の妻なんですけど。」
「ローザ恐いもん。」
カインが国王夫妻のやりとりを聞いて思わずため息をついて後ろの二人を振り返った。
セフィロスがにやりと笑いクラウドが柔らかな笑みを浮かべている。クラウドの笑顔を見た途端にカインが軽くフリーズした、一気にセフィロスの機嫌が悪くなる。
「美しい…、なんて美しいんだ。」
「え?あ、あの??」
「あ〜〜!!ダメだよカイン!!僕が居るのに〜〜〜!!」
「セシル、私は甘えん坊は嫌いなんだよ。願わくば自分と同じ意志を持ち同じ目でものを見ることのできる人を妻としたい。この人ならばそれを持っていると思う。」
「ああ、持っている。が、残念だが既に私の妻だ。」
セフィロスの言葉ににやりとカインが笑った。
「ほぉ…、私は他人の恋人と言われると腕ずくで奪い取るのが趣味なのだよ。」
「クックック、貴様がこの私からクラウドを奪い取るというのか?面白い、やってみるが良い。」
「ほお、やたら余裕が有るようだな。」
「私をクラウドから引き離しても無意味だ、クラウドが私を追いかける。何度引き離しても同じだ。」
セフィロスとカインの間に見えない火花がバチバチ飛んでいる。
それをハラハラした様子で見ていたクラウドの隣に、セシルがやってくるとドレス姿の美少女の顔をじっと見る。
「カイン。この子男の子だよ。」
「ああ、わかっている。こいつのかもし出すオーラは戦士のオーラだ。」
「え?わかっていたの?」
「当然だな。しかしクラウドは譲らん。」
銀髪二人組がいがみ合っているので、クラウドはかたをすくめて目の前に居る女王陛下に親書を手渡します。
「ミッドガル、神羅カンパニー社長のルーファウスの名代で参りました。親書をあずかっていますのでどうぞ」
「ご苦労様。あなたもずいぶん苦労していそうね。」
「いえ、そんな事は…。それよりこの国には地下に国があると聞きました。なにやら腕のいい職人が居ると言う事ですが」
「ええ、ドワーフの工房がありましてアダマンタイトを加工してくれますわ。」
「アダマンタイト、あれを加工するのですか?」
「ええ、何か必要なのでしたら依頼の仕方をお教えしますわ。」
そう言ってローザは2、3通の書類をさらさらと書いてクラウドに手渡した。
「最初の書類はここから西の巨人兵の像に入る許可証。その中にいるサーチャーと言うモンスターが落すアラームが沢山必要なんです、それをもって次の書類にある飛空挺を借りて月の裏側の世界の城に行って地下5Fでアラームを使いプリンプリンセスというモンスターからピンクの尻尾を取って下さい。希にしかで無いモンスターで希にしか落さないのでアラームが沢山居るのです。ピンクの尻尾が取れたらそれをもってアダマン島に行くとアダマンタイトがもらえますあとは地下のドワーフの工房に持って行くだけですわ。」
にっこりと笑って話す手順はやたら長くてめんどくさそうである。
すべて聞き終ったクラウドがセフィロスを振り返ると、彼ははまだカインといがみ合っていた。すたすたと近寄って行きセフィロスに話しかける。
「セフィロス!!いいかげんにしろよ!もう用は済んだんだぞ!!」
「いや、まだであろう?地下の世界とやらの事を聞かねばならん。」
「俺が聞いておいたよ!!まったくもう、行くの?行かないの?」
「お前しだいだな。」
「へ?俺?どうしてだよ。」
「お前が欲しいと言うのなら行ってやってもよいが?」
「じゃあ要らない。」
あっさりときびすを返すクラウドににやりと笑うカイン、しかしセフィロスは口元にゆるやかに笑みを浮かべてやや低い声でささやいた。
「クラウド、おいで」
その一言でクラウドがぴたりと止まった。
いぶかしげに見ているカインの目の前でクラウドはふらふらとセフィロスに近寄ってくる。
「セフィロス…。俺、来ました……。」
「クックック、いい子だ。」
まるで操られているようなクラウドの行動は、カインに取って十分不信感を持たせた、思わず持っていたホーリーランスをセフィロスに向けた。
ガキーーン!!
カインのホーリーランスを弾き返したのはクラウドのアルテマウェポンだった。カインが信じられないような顔をして目の前のクラウドを見つめる。
「おまえ、操られているわけではないのか?!」
「セフィロスを倒すのは俺だ!」
「…………。」
カインはクラウドのセリフに思わずフリーズしていたりしています。そこへセシルがやってきてカインの肩をポンと叩き優しく話しかけます。
「カイン、腕に物をいわせるだけじゃダメだって、いつも言ってるだろ?」
「う、うう……、うわ〜〜〜ん!!!(泣)セシル〜〜〜!!!また振られちゃったよお〜〜〜!!!」
ゴメン、カイン。作者としては君は好きなキャラなんだが、セフィロス相手に勝てる訳がないんだよ。(意味不明)
セシルとカインの立場が逆転してしまったのを見て、思わずクラウドがローザを振り返り同情心丸出しの表情で話しかた。
「あなたも、色々と大変そうですね。」
「ええ、でも貴方ほどでもなさそうですわ。」
「俺が?う〜〜ん、もう慣れてしまったかな?」
「そう、何かあったら遊びにいらっしゃいな。積もり積もった愚痴でも言い合いましょう。」
「ありがとうございます、ではコレで失礼いたします。」
クラウドがローザに一礼すると、いまだにいがみ合っているセフィロスのコートの端をしっかりと握り締めて、ずりずりと引きずって玉座を後にした。
一方、残されたカイン君。なぜかセシルと仲良く…いや、どっちかと言うといちゃいちゃとやってます。
「セシル、ゴメンね。」
「いいんだよ、カインだって悪気があった訳じゃないんだろ?」
「うん、でも半分は本音だよ。セシル甘えっ子だから。」
「それは、カインだからだよ。」
そんな二人の横を何の感情も見せずにセフィロスが、そして『いつまでもやってろ!』という目でクラウドが横を通り過ぎると、バロン城をでて一路西へと車を飛ばした。
しばらく進むと目の前に大きな物が立っていた、近づくとそれは人の形をしているのが見えてきた。
これがきっとローザの言った「巨人兵の像」なのだなと麓で車を降りて入り口を探すと足元にあたる所に入り口を見付ける。
どうやらモンスターの巣窟になってでも居るのか、色々なモンスターが出てくるが、神羅の英雄とまで呼ばれた男とその男を倒せる唯一の男達だったので、あっという間に片づいて行く。
そして目的のサーチャーと言うモンスターにエンカウントした。
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